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TEEで見る僧帽弁逆流症 その2 [TEE]

3. 僧帽弁逸脱症
 僧帽弁弁下組織の乳頭筋,腱索が断裂,延長することによって僧帽弁は左房方向に逸脱し,僧帽弁逆流症が発症する.逆流ジェットは逸脱部位と反対方向に進行する.
 
a.僧帽弁逸脱症に対する手術
 一般的に前尖の逸脱に対しては人工腱索による腱索再建,後尖の逸脱に対しては四角切除または三角切除,commisure部位の逸脱に対してはKay法(交連部縫縮術)が行われる.一方,僧帽弁逸脱症は病態が多岐に及ぶため所見次第で後尖に対して人工腱索を立てる,前尖逸脱に後尖の腱索を移植する,または前尖・後尖の弁縁を縫合する(edge-to-edge repair)など多様な手術が行われる.僧帽弁,弁下組織の修復の後に弁輪形成術が行われる.弁輪形成術は僧帽弁弁尖の接合部を増やすだけでなく,弁下組織への負担を軽減する役割も担っている.

b.TEEでみる僧帽弁逸脱症 (P1 prolapse)
TEE 大阪1-12.jpg
 腱索断裂の部位はP2が最も多く,P1は最も逸脱が起こりにくいとされている.またTEEはposteromedial側から心臓を観察するため,P3側と比較してP1側の情報量は少ない.



 ME four chamber viewでlateral側を観測するためにはいわゆるfive chamber viewまでプローベを引く.本viewではP1からA1方向に偏向性を持った逆流が生じている.


TEE 大阪1-13.jpg






 Five chamber viewから走査面を回転しさらにA1・P1の接合部位を確認する.本viewでもP1からA1方向へ偏向性を持った逆流が観察できる.


TEE 大阪2のコピー.jpg






 3DTEEでは画像処理によってsurgeon viewと同じviewを描出することが可能である.2DTEEとは鏡面像の配置になる.本viewではP1部分の逸脱を認める.

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